画像引用元;「悩みどころと逃げどころ」 http://amzn.to/2t04LzO
どうも、会社やめたろー(@kaishayametarou)です。
先日、「悩みどころと逃げどころ」という本を読みました。
こちらの本は、あの有名な社会派ブロガー「ちきりん」さんと、世界最強の格闘ゲーマー「梅原大吾」さんの対談集です。
しかしこれ、ただの対談集ではありません。
社会に存在する“本質”について、徹底的に議論されています。
今まで私が考えもしなかった、社会の「これってどうなんだろう」というところに、ちきりんさんと梅原さんが切り込んでいきます。
著者のお二人はそれぞれの立場や目線からあらゆる問題に対する意見を言うのですが、どちらにも共通しているのが「考える力」が強いということ。
「そこまで考えたことなかった……」
と驚かされます。
考える力をつけたい人にぜひオススメしたい本だと思います。
正直、目から鱗でkindleのハイライト機能でメモをとった場所が多すぎます。
一度で感想を全て書くことは難しいと思うので、何回かに分けて書くと思います。
かなり詳しい書評と感想を書きましたので、中身をチラ見したいという方はぜひ本記事を読んでみてください。
またテーマが色々と移り変わるので、とりとめのないレビューになってしまうかもしれませんが、ご容赦ください。
学校では「考える力」が身につかない
この本の中で大きく取り上げられているのが、「学校」というテーマです。
学校はどういったことを教えて、どういったものであるべきなのかという話がされています。
学校という装置の中でどういう教育がなされるべきで、あそこまで長い時間通う学校でなにを教えられるべきだったのかという議論がなされています。
ちきりん
前に私が働いていた外資系企業には、東大とか早慶とか、いわゆる〝いい大学〟を出た人がいっぱいいたんです。留学経験のある人も多かった。でもウメハラさんは彼らと比べても遜色がないというか、むしろ彼らと比べても、図抜けて〝考える力〟が高い。
でもウメハラさんは学校ではずっと寝てたという。だったら学校なんて行く意味ないってことでしょ? 学校で学ぶべき最も大切なことのひとつが思考力なのに。
引用元:「悩みどころと逃げどころ」 http://amzn.to/2t04LzO
社会に出ると、自分でどうすればいいのか考えて、行動する必要があります。
勉強のようにはっきりと答えがある問題ばかりではなくて、答えがない問いや問題がたくさんある。
それが社会に出ることなのに、学校では答えのあるような勉強を教える教育になっている。そのことに対する違和感をちきりんさんは抱いています。
確かに、社会に出ると自分で考える、いうなれば「考える力」が非常に求められますよね。
フリーランスなんて、考える力がなければ絶対になれませんし、会社員として会社で働いていても、自分で考えることをせずに周りの環境に合わせたり指示を仰いでそれを実行するだけの人は活躍はできませんし、ましてや出世なども難しいでしょう。
しかし今の学校の教育ではこの「考える力」の育成がまともになされていない、とちきりんさんはおっしゃっています。
ちきりん
リストラみたいな予想外の事態に陥った時、ほんとは自分で考えて行動したり、新しいことをやってかなくちゃいけないのに、学校では自分で考える訓練も、人と違うことをやるっていう体験もしていない。それをいきなり自力で頑張れとか言われても無理ですよ。
引用元:「悩みどころと逃げどころ」 http://amzn.to/2t04LzO
社会に出ると、いきなり考える力を求めれます。
「それぐらい自分で考えろ」
「考えが足りないからこんなことが起こるんだ」
「あとは自分で考えてなんとかしてくれ」
こんな風に、答えのない問いに対して「考えろ」と言われる。
しかし学校の中ではそういう問題に対する考える訓練がされていない。
そこでいきなり頑張って考えろと言われても考えられないですよね。
そして「考えられない」と弱音を漏らすと「甘えるな。もう大人なんだろ」みたいな感じで責められる。
もちろん、社会に出れば全ては自己責任で、考えが足りなくてなにか失敗したりしても、責められるのは自分だけです。
ですから上記のちきりんさんの意見は、ある意味優しい意見だとも言えると思います。
ウメハラ
得意なことや何かに才能がある人、誰にも負けないぐらいやる気がある人も、高校や大学に行く必要はないでしょう。でもそうじゃない人には、「とりあえず学校に行ってまじめに生きてれば、最低限、惨めな思いはしなくてすむよ」と言いたいんです。
引用元:「悩みどころと逃げどころ」 http://amzn.to/2t04LzO
これは本当に本質を射抜いた言葉だと思います。
将来日本がどうなるかわかりませんが、少なくとも今の日本ではまだ学歴によって将来の仕事が左右される時代です。
今、「好きなことで生きていく」という標語がいたるところで見られるようになりました。
しかし、じゃあ「好きなこと」が見つけられない人はどうしたらいいのか?
全てを投げ打って突き抜けることが大事だ! って言われてても、それはそうだと思うけど、それがなんなのかわからない。
なにをすればいいのか分からない。
そういう人に対して「とりあえず学校に行っておけ」というのはある意味残酷な意見ですが、とても本質的な意見だと思うのです。
関連記事:
「やりたいこと」で突き抜けるということ
ちきりんさんは、様々な職歴を経験した上で社会派ブロガーになっていますが、梅原さんはそうではありません。
梅原さんにはゲームしかなかった。
そのゲームで突き抜けたからこそ、今の梅原さんの地位があるわけです。
ウメハラ
1と2が並ぶ通信簿を見ても、父親は一度も「勉強しろ」とは言いませんでした。言われたのは、「何かひとつ、やりたいものを持て。それを見つけたら、誰にも負けない気持ちで行け」ということだけ。
引用元:「悩みどころと逃げどころ」 http://amzn.to/2t04LzO
梅原さんの父親は、決して「勉強しろ」とは言わなかったそうです。
しかし「やりたいこと」に対しては非常に敏感だったとか。
梅原さんのやりたいことが「ゲーム」であることに対しては思うところがあったらしいですが、「ゲームをやめろ」とは言われなかったそうです。
そうやって、ゲームにしろなんにしろ打ち込むことが許容される環境で育ったというのは大きいですよね。
ブロガーのイケダハヤトさんも中学生の頃にパソコンを与えられ、サイト運営にのめり込んでいったそうです。
中学生でパソコンを買い与えられるというのは我々の世代からしたらかなり早い方で、そういう打ち込める環境があったのは、イケダさんの人生少なからず影響を与えているはずだと思います。
ウメハラ
その「何かひとつ」が格闘ゲームでいいのか、このままひたすらゲームに没頭してていいのかっていう迷いは常にありました。
引用元:「悩みどころと逃げどころ」 http://amzn.to/2t04LzO
梅原さんほどの方でも、「ゲームでいいのか」という問いを持っていらっしゃったそうです。
梅原さんがゲームに没頭している時期はまだゲームの大会なども少なく、ましては「プロゲーマー」なんていう職業は考えられない時代ですから、それは当たり前ですよね。
ゲームに没頭したいけれど、それで食える環境がない。悩まないわけはありません。
ですから一度ゲームをやめて麻雀の道を進もうと考えたりもしたそうで、実際にゲームをやめた時期もあったそうですが、それでも結局ゲームに帰ってきた。
そしてやり続けたことによって今の地位があるのです。
ウメハラ
僕の経験から言えるのは「勉強ができなくて何の取り柄もなかったら、世の中は本当にきついんだぞ」ってことです。
引用元:「悩みどころと逃げどころ」 http://amzn.to/2t04LzO
これは本当に梅原さんだからこそ言える言葉だと思います。
こんなこと、誰もが持っていても、誰も言えませんよね。
しかし一つの取り柄を最大限特化させてきた梅原さんだからこその言葉で、それに対して「勉強ができた」ちきりんさんがなにを言うのか。
続きはぜひ本著を読んでみてください。
まとめ
案の定長くなりそうなので、いったんここで締めます。
ちょっと抜き出しただけでも、この本がいかに“本質”を突いている本なのかがお分かりいただけると思います。
社会や人の人生というものに対して、誰もがぼんやり抱いていたり気がついてた本質に対して、ちきりんさんと梅原さんがガンガン議論していく。
それが「悩みどころと逃げどころ」の面白さです。1ページたりとも退屈なページがありませんでした。
未読の方は、本当に面白いので読んでみてください。
間は空くかもしれませんが、また続きのレビュー書きまーす。
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